小4の娘がイギリスのサマースクールに3週間通った、その後。
それまでは、どこか「どうせ私なんて」という被害妄想的な発想が髄所に垣間見られる、優等生だけどなかなか友達の中に入っていけない子供だった。学校が楽しかったという話も、あまり聞かなかった気がする。学校が終わった後にお友達と遊ぶ約束をすることもなくて、「この子は学校で浮いていないだろうか」と正直心配していた。
それがイギリスから帰国して数か月する頃から様子が変わってきた。「ただいま~!」と笑顔で勢いよく帰宅するようになり、学校でも「体育の時間にリーダーに選ばれた」と嬉しそうに話すようになった。彼女が語ってくれる学校の話の端々から、友人や先生方から認めてもらえるようになったことが感じられるようになったのだ。学校のお友達から信頼を得るようになり、「推薦でリーダーに選ばれちゃった~^^」ということが増えていった。
2学期の個人面談でも、担任の先生から「前向きで失敗した友達を責めることなくフォローするので、他の子たちが安心して娘さんと一緒にいたいと思うのだろう」という言葉を先生から頂き、クラスでの彼女の変貌ぶりに先生も驚いているようだった。
もともと優等生タイプではあったが、それまではどこか周囲の友達に対して自分の「こうあるべき」を押し付けがちで、それゆえうまく行かない時も多々あった娘。それがイギリスで「自分」という存在を先生たちに大いに認めてもらったことで、自分という存在にOKが出たのだろう。そして、自分にOKが出せるようになったから、他の友達の個性にもOKが出せるようになった。放課後、近所の公園で男女入り乱れて大勢のお友達と駆けずり回って遊ぶ。そんなふうに遊べるようになったことに驚き、親としてすごく安心した。
私や主人と言い合いになった時も、泣きながらも自分の意見をきちんと言えるようになった。親からの反応を恐れて自分の気持ちを伝えることを我慢することが減ったように思う。こちらも自分の非を認めて謝ることも増えた。彼女が「自分」というものをしっかりと持てるようになったからこその親子の関係性の変化だ。
親元を離れて、知っている人が誰一人おらず、言葉も思うようにならない環境で3週間。娘曰く、「7割中国人、2割ロシア人、その他1割」という子供たちの中で過ごす日々。豊かな自然の中で、毎日朝から英語を勉強し、たくさんのアクティビティを通して身体を動かし、多くの中国人に圧倒され、強気なロシア人に困惑し、それでも数人いた日本人の子たちに交じることを良しとせず、頑張り続けた。最後は、各寮に滞在した生徒の中で、英語のレッスンやアクティビティへの積極性・貢献度が最も高かった生徒に送られる「PREFECT(優秀生)」も勝ち取ってきた。そんな彼女の3週間の奮闘が、今、彼女の持っていた潜在的な力を大きく花開かせようとしている。
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